物流業界のサプライチェーンは、より迅速で効率的、かつ透明性と安全性を向上させなければならないというプレッシャーにさらされています。こうしたプレッシャーを軽減し問題点を克服していく上で、テクノロジーが果たす役割は急速に進化しています。
航空貨物運送状(AWB)や船荷証券(B/L)から、マニフェストや貨物積荷明細、発注書、請求書などに至るまで、物流サプライチェーンの多くの関係者は、大量かつ全く異なるデジタル化されていないデータを毎日管理していることを認識しています。
書類の電子化を標準化することは、サプライチェーン全体にわたるデータのシームレスな転送を実現するための重要な一歩です。それにより物流企業はデジタル化の取り組みを加速し、過去数年間に業界に影響を与えた大きな混乱をうまく乗り切ることができます。
B/Lのデジタル化
国際フレイトフォワーダーズ協会連合会(FIATA)が新たなペーパーレスの電子B/L(eFBL)を導入したことで、FIATA会員はデジタル化が可能となり、関係者にはさらなるセキュリティと信頼がもたらされています。
CargoWiseでは、FIATAおよび他のフレイトフォワーダー19社との7カ月間のパイロットテストに参加し、eFBLデータモデルおよびAPIの技術的実装の試験ができたことを誇りに思っています。同パイロットテストの成功後、CargoWiseの顧客はシップメントから直接FIATA eFBLを送信できるようになり、以下のことが可能となりました。
時間とコストの節約: 電子文書を数秒以内に送信するため、紙処理と比較した場合、時間とコストが最大で3分の1*に削減されます。
プロセスの最適化: CargoWiseから直接ペーパーレスのFBLを発行するため、データの重複入力を回避できます。
不正や偽造の極小化: 関係者は、いつでもeFBLの有効性、相手企業の身元、文書内容の整合性を検証できます。
サステナビリティ(持続可能性)への前進: 紙や不要なクーリエサービスの節約に役立つ、より環境にやさしいソリューションを採用します。
eFBLの仕組み
この新ソリューションにより、文書が認証され、かつ監査証跡が提供されるため、FBLのセキュリティレベルが高まります。各文書は改ざん不可能な台帳に記録され、すべての関係者はeFBLにいつでもアクセスできます。文書の監査証跡にアクセスするには、関係者は文書の右上にあるQRコードをスキャンするか、FIATAの検証にあるPDFを直接アップロードできます。
貿易書類は、不正や偽造に遭うリスクを伴う場合があります。FIATA eFBLの新文書監査証跡機能は特に優れており、ユーザーは以下を認証することができます。
文書の有効性: FIATAが文書を登録した日時を簡単に確認できます。
発行者の特定: 関係者は会社名、住所および事業登録番号のほか、当該文書の発行企業の全国協会会員資格を確認することができます。また、文書登録時に発行企業がFBLの約款で指定された条件をすべて満たしているかを確認することも可能です。
内容の整合性: 文書のスクリーンショット(FIATAによって登録された時点のもの)には、すべての関係者がアクセスでき、受け取った文書の整合性を検証して、文書が変更されていないことを確認できます。
FIATA eFBL発行を開始するにあたっての必要事項
FIATA/全国協会会員であれば、以下の手順を行うだけで簡単に開始できます:
FIATAデジタルIDの取得: FIATAに問い合わせ、有効な賠償責任保険に加入しているFIATAおよび全国協会の有効な会員であることを証明するデジタルパスポートを取得してください。同パスポートを使用することで、御社組織がペーパーレスのFBLを発行するための要件をすべて満たしていることが保証されます。そして御社の身元を確認できるパートナー企業にとっては、御社に対する信頼感が高まります。
CargoWiseでの電子FIATA接続の有効化: FIATAからデジタルパスポートを取得したら、CR9のeRequestを提出して、御社のシステムに新しい接続を設定してもらうだけです。
eFBLのようなデジタルイニシアチブは、グローバルサプライチェーンにおける情報の流れを改善し、貨物輸送の迅速性、安全性、および透明性を向上させるために不可欠です。
紙ベースのプロセスへの依存にかかるコストについてや、御社がより自動化され、ペーパーレスで生産性の高い環境に移行するためにテクノロジーがどのように役立っているかについて詳しくお知りになりたい方は、今すぐ当社にお問い合わせください 。
*白書: Digital Container Shipping Association takes on eBL standardization, calls for collaoration(デジタルコンテナ輸送協会がeBL標準化への取り組みについて、協力を呼びかけ)